ゆるり

まあどうせなら、たのしいことをかんがえよかな

雨の日の猫

雨の日、野良猫はどうしているのだろう。

 

学生のころ、私が大家さんに隠れて餌をあげていたチャッピーという猫がいた。彼女はある大雨の日に、私を頼って下宿の玄関先で鳴いていた。自分が生んだ子猫を連れて。玄関を開けてやると、彼女は都合3往復して、3匹の子を私の部屋に運び込んできた。

それから1ヶ月ほど。ある程度彼らが大きくなるまで、私の下宿は頭でっかちの子猫たちの運動場になったのでした。

 

チャッピーはこのことの1年ぐらい前に、古い民家の床下で育てていた子猫を連れ出せなくなってしまったことがある。どうやら助けられなかったようだ。子猫が小さな声で鳴く中、彼女が必死で床下に入ろうとしている様は、なんとも可哀想だった。わたしはどうにもしてやれなかった。

だからだろう、その大雨のときは彼女なりに安全な場所はどこか考えたのだと今でも思っている。チャッピーに信頼されたというべきか、つけこまれたというべきか。

 

それ以来だ。

雨の日の猫たちは、どうしているのだろうと思うようになったのは。