待ち合わせ
気持ちが自由になったせいか
昔好きだったものたちに、最近僕は再び出会う
音楽、美術、詩やことば
これらを押しのけて
不似合いなものになろうとしたのは
もう思い出せないほど昔のことだ
そのときに、心からゆっくりと剥離していったものたちは
僕が来るのをずっと待っていたのだろうか
やっぱり君か
偶然を装って声をかけたのは
僕の方だったか、君らの方だったか
思いの外、長い時間がたったのだから、曲がり角の一つも間違えれば
二度と会わなかったかもしれないのに
当たり前だ と言いたげに君らはそこに立っていた
なぜ君らは再び僕のもとに来たのか
戯れでないのなら、頼みがある
僕を助けてくれないか
最初に出会った頃よりも
ちょっと遠くへいきたいんだ